オフセット活用サイド
アクセラレーター(C)の活動

活動例1 ~オフセットの算定・管理~

 オフセットでバイオ炭によるJ-クレジットを利用するためには、まず、自社または自社のサプライチェーンでどれくらいのCO2を排出しているのかを正しく把握する必要があります。そのため、オフセット活用サイドに働きかけるアクセラレーターの活動の例として、各企業のCO2排出量の算定や管理をする活動があげられます。

 サプライチェーンのCO2排出量を把握するためには原料の調達から廃棄までの事業活動に関するあらゆる排出量をを正しく把握しなければなりません。この排出量については、温室効果ガスプロトコルイニシアチブ(GHGプロトコル)のScope 3基準に示される15のカテゴリが示されています。

(図は環境省・経産省「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」をもとに作成

 しかし、これらを正しく把握し、管理するには大きな労力とコストがかかります。そのため、このような活動を代わりに行う能力があったり、活動をしている企業などがアクセラレーターとして活動することによって企業がカーボン・オフセットをしやすくなり、カーボンマイナスの普及に向けてカーボンマイナスのエコシステムの成長を促進することが出来ると考えられます。

 算定・報告の方法にはGHGプロトコルと呼ばれる国際的な基準があります。詳しくはこちら

活動例2 ~オフセット・プロバイダー~

 J-クレジット制度ではオフセット活用団体がどのような方法で生産されたクレジットを使いたいか、などの希望を基にオフセットに活用するクレジットを選ぶことが出来ます。ですが、J-クレジット制度へ登録されているプロジェクトは850件超(J-クレジット制度HP,2021年7月13日時点)もあり、どれが最も自分たちがオフセットに活用したいクレジットなのかを見極めるのは簡単なことではありません。そんな時に頼りになるのが、オフセット・プロバイダーです。

 オフセット・プロバイダーとは、環境省の指針、「社会の構成員がカーボン・オフセットを実施する際に必要なクレジットの提供及びカーボン・オフセットの取り組みを支援・コーディネート又は取り組みの一部を実施するサービスを行う事業者」と定義されています。

 また、J-クレジット ・プロバイダーは一般社団法人カーボンオフセット協会によれば、「J-クレジット制度に基づき認証されるう温室効果ガス排出削減・吸収量の創出や活用を目的として、クレジットの創出および活用を支援できる事業者」とされています。

 オフセット・プロバイダーに登録されている企業の活動内容は様々ですが、例えば、例1で上げたオフセットの算定だけではなく、

  ✓オフセットの企画や利用するクレジットの調達を支援してくれるような活動

  ✓オフセットプロバイダーがクレジットを売買したい事業者同士をマッチングをする活動

といったものもオフセット・プロバイダーの活動す。このように自社でクレジットを創出していなくても、カーボンオフセットをする際の手続きの支援や、マッチング機能を提供することが出来る企業や団体はオフセットプロバイダーとして活躍する可能性を大いに秘めているといえます。