LCAとバイオ炭
LCAとバイオ炭
LCAとは、ライフサイクルアセスメントを略したものです。
製品を作って使って捨てるまでの「ライフサイクル」を通じて、環境にどのような影響があるのかというものを数値として測って評価していくもの。
自動車を例に考えてみましょう。
「鉄鉱石などの素材を輸入したり、加工するところから始まり、製造し、完成車をお客様が使って、捨てるところまで」 ということになります。
原料調達から輸送、製造、輸送、散布・埋設といった各ステップにおける環境負荷発生量(付随的排出量)を数値化します。付随的排出量はこれらの各ステップで要した燃料の使用量などから算定します。
今はまだデータがたくさんあるとは言い切れないので、一つ一つデータを集めていく必要があります。そのため、バイオ炭を作る人・使う人は当面は原料原料や、散布埋設量といったデータをその都度集めて使う必要があるといえそうです。
<ベトナム~水田での利用~>
水田にバイオ炭を埋める事例では、炭素を土壌に貯留する効果に加え、肥料や燃料の節約といった効果も確認できたそうです。
Mohammadi, A. et al. (2017) Climate-change and health effects of using rice husk for biochar-compost: Comparing three pyrolysis systems. J. Clean. Prod. 162, 260–272. https://doi.org/10.1016/j.jclepro.2017.06.026
J-クレジットでは炭素の貯留効果(炭素を土壌に閉じ込める効果)のみを評価しますが、肥料や燃料の節約といった効果がある可能性もあります。