カーボンマイナス

脱炭素社会の背景

 2020年10月、菅総理が「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と発言したことで、世界のみならず国内での脱炭素社会への関心が高まっています。

 ヨーロッパにおいてはすでに2050年にはEU全体として温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げることで一致しており、アメリカのバイデン大統領も2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指すとしています。さらには、世界最大のCO2排出国で、これまで排出量自体の削減目標を示していなかった中国でも習近平国家主席が温室効果ガスの排出量について2060年までに実質ゼロを実現することを表明しています。

  このような主要国を含め、現在120以上の国と地域が、2050年にむけた排出量実質ゼロ目標を掲げています。

 このように、二酸化炭素の排出を実質的にゼロにしていく脱炭素社会の世界的な潮流がありますが、私たち「カーボンマイナスプロジェクト」の取り組みは、大気中に存在する二酸化炭素を減少させていくことにあります。カーボンネガティブと言われることもあります。

カーボンマイナスとは

カーボンマイナスとは、地球上のCO2総量を減少に導くことです。カーボンネガティブと言われることもあります。つまり、CO2の排出量よりも、CO2の吸収量を増やすことで、全体としてCO2の総量を減少させることができるのです。森林等の植物を増やすことは、一時的に二酸化炭素を吸収し、炭素を固定し、増加した大気中の炭素総量を減少に導くことができます。しかし、植物はやがて腐ったり、燃えたりなどで分解されると再び二酸化炭素を排出するため、安定的に地表上の炭素総量を減少に導くことは困難です。


カーボンマイナスの方法は様々ですが、本プロジェクトでは特に「バイオ炭」に注目したカーボンマイナスの実現を目指しています。

バイオ炭とは、CO2を吸収した植物を炭にしたものです。CO2を吸収した植物を炭(バイオ炭)にすると、再び二酸化炭素を排出することを防ぐので、結果として二酸化炭素の削減できます。これを「炭素貯留」と呼びます。


似たような言葉に、「カーボンニュートラル」という言葉がありますが、カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出を実質的にゼロにすることを意味します。「実質的に」とは、温室効果ガスの排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにするという意味です。

つまり、現段階で先ほど挙げたような国と地域が目指しているのがカーボンニュートラルということになります。

バイオ炭についてはこちら

カーボンオフセットについてはこちら

カーボンマイナスとは?

本プロジェクトのYouTubeにて、カーボンマイナスについて音声とイラストによる説明をしています。カーボンマイナスは、カーボンネガティブと呼ばれることもあります。

引用・参考文献

・環境省HP「2050年カーボンニュートラルの実現に向けて

国立環境研究所「脱炭素社会はなぜ必要か、どう創るか

柴田晃 , 2011,「地域振興のためのバイオマス簡易炭化と炭素貯留野菜 COOL VEGETM」『高温学会誌』37(2)

・一般社団法人 日本経済団体連合会「米国大統領選とエネルギー温暖化対策<上>

(最終閲覧日:2021年9月17日)