バイオ炭とは

バイオ炭とは何か

バイオ炭とは何かについてその概要を知ることが出来ます。

バイオ炭という言葉を聞いたことはありますか?

一言で言い表すと、気候変動問題解決に役立つ「小さな巨人」です。
バイオマスをある条件の下、炭になるまで加熱して作られるのがバイオ炭です。

注目されている背景

二酸化炭素の排出量削減が求められる昨今、新たな解決策として注目を集めている理由は、地球温暖化問題の解決に有効かつ低コストだからです。 地球温暖化を引き起こさない為に、世界中であらゆる活動が行われていますが、実際のところそれらの多くは「カーボンニュートラル」であって、「カーボンマイナス」ではありません。(詳しくはこちら「カーボンマイナスプロジェクトとは?」)日本の大手電力会社やヨーロッパの石油会社は、二酸化炭素を圧縮して地中に埋めるといった実験を試みていますが、コストが高すぎるが故に最適な方法であるとは考えられていません。しかしバイオ炭なら、二酸化炭素削減(カーボンマイナス)に効果的で、かつ身近に取り組めるということで、注目が集まっています。

枯れた樹木やもみ殻などのバイオマスを原材料とし、炭にすることでどのようなメリットが得られるのでしょうか

バイオマスを炭にする理由とバイオ炭活用法


例えば元気な樹木、光合成を行う昼間は、吸収した二酸化炭素を炭素と酸素に分解し、炭素を体内に蓄え、酸素を空気中に放出します。一方で枯れたり老いた樹木は微生物の作用などで、吸収した二酸化炭素を空気中に戻してしまいます。こうなると当然、空気中の二酸化炭素は増えてしまいます

バイオ炭を使った二酸化炭素削減の仕組み

バイオマス(例えば樹木)を炭にする場合、樹木の一部は空気中の酸素と結合して二酸化炭素となりますが、底に近い部分では、炭化という現象が起こっており、そこにある樹木は酸素と完全には結びつかず(不完全燃焼)、炭素を中に閉じ込めたまま固形物として残ります。炭になると、閉じ込められた炭素は半永久的に空気中に戻ることはありません。つまり、二酸化炭素を出すようになった樹木を伐採し、炭素を中に閉じ込めた状態にすることで二酸化炭素の削減に成功しています。

バイオ炭の活用例

例えば土壌改良の効果があります。

バーベキューで炭を燃やしてしまうと、せっかく閉じ込めた二酸化炭素が再放出されますので、それでは二酸化炭素削減に効果はありません。そこで、農地や林地にバイオ炭を埋設すると、土壌改良の効果があることが分かったのです。実際に、バイオ炭を使った野菜作りも京都府の亀岡市にて行われています。(詳しくはこちら「クルベジについて」)

バイオ炭として認められるための品質評価について

バイオ炭として認められるには、ただ燃やすだけでは不十分です。例えば農地に活用する場合、農水省が定めた条件に則ってバイオマスを加熱し、バイオ炭を作る必要があります。(詳細はこちら

引用・参考文献

井上芳恵(2011)「炭を使った農業と地域社会の再生」公人の友社

・日本バイオ炭普及会HP「バイオ炭とは

・農林水産省環境政策室「Jクレジット制度におけるバイオ炭の農地施用にかかる方法論に関する説明会資料

最終閲覧日:2021年9月7日