東健太郎先生インタビュー

経営学、会計学、環境影響評価・環境政策について研究を行っている立命館大学経営学部教授、東健太郎先生にインタビューを行いました!その内容をまとめています。

1.環境経営とは

環境経営の考え方は、大きく二つあります。

一つは、マイナス効果の削減つまり、「環境に負荷をかけているものを減らしましょう」という見方です。人間が生き、企業が生存する限り、二酸化炭素を排出しているという意味で環境に対するマイナスの効果は避けられません。そこで、そのようなマイナス効果をいかにして減らすかということがこの考え方です。

もう一つの考え方は、ポジティブ効果の創出つまり、「いかにしてポジティブなものを増やすか」という見方です。例えば、電気自動車やハイブリッド自動車など環境にやさしい新しい製品を世の中に出すことはこれに当てはまります。


具体的な活動とは

では、具体的に環境経営のために企業はどのような活動を行うのでしょうか。

先ほどの二つの見方で企業の活動を見てみると、マイナス効果の削減に当たるエネルギーの削減のための「節電」や「リサイクル」などいわゆる伝統的な環境経営と呼ばれます。

一方で、ポジティブ効果の創出は近年、より重要視され始めています。そのため、環境負荷をかけない製品の研究開発のために、企業が自らの経営資源(ヒト、モノ、カネ)をどれだけ投入したのかということが重要視されているということです。

2.環境経営が必要とされる背景

環境経営が必要とされる背景には、大きく二つの見方があります。一つは、環境を保全したいという元々の目標(ドイツ経営学ではSachziele )、もう一つは、利益を上げたいという目標(ドイツ経営学ではFormalzieleです。つまり、環境を保全したいという元々の目標と、それをしないと利益を上げることができないからという動機があります。最近の風潮として、利益を得るために環境経営を守らないといけない」という考えが広がっており、企業の環境保全は活発化しているようにみえます。ただし、「企業が本当に環境を保全したいという元々の目標を大切にして環境経営を行っているのか」という懐疑的な意見もあります。

3.カーボンオフセットを活用した環境への貢献

このカーボンオフセットの考えというのは、誰かが環境に貢献した分を、他の人がお金を出したら、お金を出した人に移し替えることができるという考え方です。


つまり、お金を出した人は、実際に環境に貢献していないけれども、環境に貢献したことになると言い換えることもできます。

実際にこの考えは、ビジネスの世界において広まっており、環境経営の広がりという側面からもポジティブな効果を持っています。環境の問題をカーボンオフセットというお金の問題に切り替えることで、多くの人が環境に関わることができるようになったのです。

一方で、このカーボンオフセットの考えについては、お金さえ払えば環境に貢献したことになるのかこれを許していいのかという倫理的な問題をはらんでいるのも事実だといえるでしょう。

4.環境経営の進展における課題

環境経営を企業が行うにあたり、これまでは「どうやったら環境が破壊されないか」という予防的な側面が大部分を占めていました。つまり、環境破壊がいかにして起きないようにするかという考え方です。

この考えも、もちろん大変重要なものです。

一方で、実際に、温室効果ガスの排出による温暖化の影響(被害)はもう出てきているので、企業がそのような災害に対してどのような対応を取るのかという側面もあります。

言い換えると、予防的な側面だけでなく、すでに起こってしまった環境被害に対する対応についても今後考えていく必要があるということです。